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『ラブキャッチャージャパン3』が2026年9月1日から始まりました。毎週火曜よる9時、ABEMAで全8話。
この番組の楽しみ方は、ほぼひとつに集約されます。誰がマネーキャッチャーなのかを当てること。公式サイトにも予想投票の仕組みがあるくらいで、考察は番組公認の遊び方です。
でも、シーズン1・2を見た人ならわかるはずです。この予想、当たらない。
「あの人は絶対マネー」と思った人がラブキャッチャーで、「この人は間違いなくラブ」と思った人がマネーだった。毎回そうなります。
なぜ当たらないのか。私はここに、恋愛そのものの構造が出ていると思っています。
そもそものルール(おさらい)
12人の男女が沖縄で共同生活を送ります。参加者は最初に、自分の立場をひとつ選びます。
- ラブキャッチャー … 真実の愛を求める側
- マネーキャッチャー … 賞金1,000万円を狙う側
そして自分がどちらなのかは、最後まで隠したまま過ごします。番組の惹句は「疑心暗鬼の世界で人間の本性があらわになる、究極の恋愛心理ゲーム」。
つまり参加者も視聴者も、同じ問いを抱えたまま8話を過ごすことになります。この人の「好き」は、本物か。
予想が当たらない理由
ここからが本題です。
視聴者がマネーキャッチャーを見抜こうとするとき、たいてい同じところを見ています。
- 誘いをやんわり断った
- 本音をなかなか言わない
- 距離が縮まったあと、急に引いた
- 「好き」とは言うのに、具体的な約束をしない
これらは確かに、賞金目当てで本気を演じている人の動きです。
でも、これは同時に「回避型」と呼ばれる愛着スタイルの人が、本気で好きなときにやる動きでもあります。
愛着スタイルというのは、人が親密な関係でどう振る舞うかの傾向を4つに分けた考え方です。ボウルビィやエインズワースの研究に由来していて、MBTIのような性格分類とは出自が違います。
そのうちのひとつ「回避型」は、ざっくり言うとこういう傾向を持ちます。
距離が近づくほど、居心地が悪くなる。
相手が嫌いになったのではなく、近さそのものに耐えられなくなる。
だから、いちばん好きなタイミングで引く。
読んでいて気づいたと思います。さっき並べた「マネーキャッチャーっぽい動き」と、ほぼ同じです。
| 画面に映る行動 | マネーキャッチャーだとすると | 回避型だとすると |
|---|---|---|
| 誘いを一度断る | 深入りしたくない | 距離が近すぎて怖い |
| 本音を最後まで言わない | 嘘がバレるのを避けている | 言葉にすると引き返せなくなる |
| 急に連絡が減る | 相手を切り替えた | 好きすぎて処理が追いつかない |
| 「好き」と言うのに約束をしない | 口先だけ | 約束は逃げ場を失うこと |
行動だけを見ている限り、この2つは原理的に区別がつきません。演技として距離を取っている人と、本気だから距離を取っている人が、まったく同じ映像になる。
だから予想が当たらないんです。視聴者が悪いのでも、演出が巧妙なのでもなくて、見ている情報では足りない。
では、どこを見れば違いが出るのか
区別がつかないと書いておいて放り出すのは不親切なので、私が見ているポイントを3つ書いておきます。断定はしません。あくまで「差が出やすい場所」です。
① 引いたあとに、戻ってくるかどうか
回避型の人は、引いたあとに自分から戻ってくることがあります。しかも、たいてい何事もなかったような顔で。近づきすぎて苦しくなり、離れて呼吸を整え、また戻る。その振れ幅が本人の中では一貫しています。
演技として距離を取っている場合、戻るタイミングは相手の反応次第になりやすい。相手が離れそうになると戻ってくる、という形です。
見るなら、「誰の都合で戻ってきたか」です。
② 相手が弱っているときに、何をするか
これはかなり出ます。
回避型の人は感情の共有が苦手なので、弱っている相手にうまく寄り添えません。でも、なぜか別の形で助けようとすることがある。飲み物を持ってくる、場所を移す、話題を変える。不器用で、ズレていて、でも動いてはいる。
一方、賞金が目的なら、そこは絶好の見せ場になります。だから逆に上手い。言葉が的確で、タイミングも綺麗です。
下手なほうが本物、ということが起こり得る場面です。
③ 誰も見ていない時間に、どう振る舞うか
編集されている以上、限界のある観点ではあります。それでもカメラが引いている場面、他の参加者が寝ている時間、投票や告白と関係のない雑談。そういう「点数にならない時間」の態度が、いちばん素が出ます。
22歳のわたしは、これを全部「脈なし」で処理していた
正直に書くと、私はこの見分けが昔まったくできませんでした。
相手が一度誘いを断ると、それだけで終わったと思っていました。連絡が減れば、気持ちが冷めたのだと解釈しました。そして自分から降りていました。毎回、こちらから。
いま思えば、あのうち何人かは、たぶん引いたあとに戻ってくる人でした。私が待てなかっただけで。
演技だったのか、素だったのか、いまでも分からない人が2人います。
だからこの番組を、他人事として見られません。画面の中で起きているのは、私が20代でずっと間違え続けてきた読み違いと、同じ種類のものです。
次回から、各話ごとに書きます
『ラブキャッチャージャパン3』は全8話、毎週火曜よる9時の放送です。次回から、各話で「型が出た場面」をひとつ選んで読み解いていきます。
▶ 各話の記事:第2話|マネーキャッチャーは12人中5人。「気になる人をスカしちゃう」はどう読めるか
見るのは人ではなく、場面です。「あの人は回避型だ」とは書きません。「あの断り方は、回避型の人がよくやるやつ」という書き方をします。
出演者は実在の人で、番組が終わったあとも生活が続きます。型で人を断じるのは、考察ではなく決めつけです。そこは守ります。
あなたには、あの場面がどっちに見えましたか。
もっと知りたい人へ
この記事で書いた「いちばん好きなタイミングで引く」側の傾向を扱った新書があります。精神科医の岡田尊司さんが、一般の読者向けに書いたものです。
タイトルに「障害」とありますが、病気の診断のための本ではなく、一般向けの解説書です。
岡田尊司『回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち』(光文社新書)
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この記事で使っている「愛着スタイル」そのものの説明は、こちらにまとめています。
▶ 恋リアを見るための愛着スタイル入門|4つの型と、画面での出かた
本記事は心理学の知見を参考にしたエンタメ・自己理解コンテンツであり、医学的診断や心理カウンセリングではありません。特定の出演者の心理状態を断定するものでもありません。
『ラブキャッチャージャパン3』はABEMAで放送中の番組です。番組情報は公式発表に基づいています。

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